二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

~惺音~



年末年始に向け、屋敷の中が慌ただしくなってきた。



歳神(としがみ)を迎えるための門松や鏡餅なんかも備えられてる。



莉子は年末年始は施設に帰るらしい。



年末年始は、屋敷中の従業員にも(いとま)を出す。



そしてもちろん、神使たちにも…。



「煌くんも莉子もいいなあ、俺帰る家なんかないから休みもらってもこの屋敷にいるしかないよ。別にこの屋敷好きだからいいけどさ、帰省ってしてみたいな」

「あたしも同じ。年末年始は一緒に過ごそう」



あたしがそう言うと煌が眉をひそめた。



「お前ら屋敷に2人きりってこと? ありえねえんだけど」

「だってしょうがないじゃん」



あたしと蘭は口を尖らせた。



あたしたちはここにいる以外どうしようもない。



煌がため息をついた。



「じゃあ…俺の実家来るか?」

「いいの!?」



蘭と2人で大声を出した。



煌はあたしたちの勢いにやや引き気味。



でも、「お前らを2人きりにするくらいなら実家連れてった方がマシ」とうなずいた。



「蘭、実家で変なこと言うなよ?」

「変なことって?」

「俺と惺音の関係とか」



ああ…蓮麻に隠さないといけないんだった…。



キョトンとする蘭に、あたしはこの前お母さんから言われた話をする。



蘭はあたしから聞かされてポンと手を打った。



「ってことは、俺の前でイチャつく2人を見なくて済むのか」



そう言う蘭に、あたしは頭を叩く。



「そ、そんなこと元からしてないでしょ!」

「してるよ。今だってさ、煌くん堂々とヤキモチ焼いちゃってさ…」

「…」



あたしは何も言えなくなってしまった。



代わりに煌のことを軽くにらんでみる。



煌は気にしないって顔だ。