二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「惺音ちゃんは煌くんのことしか見えてないんだね」



そう言ってまた笑った。



あたしはその言葉に顔を赤くする。



莉子はそのうち笑いを収めた。



そして、あたしの顔をまっすぐ見る。



「あたしが好きなのは…ね」



莉子は顔を染めた。



あ、そうか…。



あたしはようやくそこで分かる。



煌じゃなければ、もう一人。



「蘭くんのことが…気になってるの」



そう言って切なそうに笑った。



「でもでも、まだ好きって決まったわけじゃないよ? 蘭くんが惺音ちゃんのことを好きなのは知ってるし…。ただ、あたしのことを必死で看病してくれる蘭くん見てたらなんだか心がとっても温まって…」



言い訳のようにそう言う莉子。



あたしはそんな莉子に微笑んだ。



それから莉子のことをそっと抱きしめた。



人間が妖が恋してどうなるのかなんて分からなくて、あたしはなにも言えなかった。



だけど莉子に幸せになってほしいと思ったことは大きな事実で。



莉子の幸福を祈りながらひたすら抱きしめた。



「惺音ちゃん…ありがとう…」



そう言う莉子も、やっぱりなんだか複雑そうで。



あたしたちは雪の降る屋上でしばらくそうしていた。