二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「教えてくれないんですか」

「それは知るべきじゃない。立ち会ったときに見つめて対処すべきこと」

「…」



なんとなく釈然としない。



だけど閻魔様はそれ以上何も教えてくれなった。



それから、閻魔様は俺のことをじっと見た。



俺はドギマギしてしまう。



閻魔様は惺音ちゃんに声をかけた。



「稲荷姫」

「なんでしょう」

「この者、お前のことを主として慕ってはおらぬようだが」



げっ…。



なんでそんなことわざわざ言うかね…。



惺音ちゃんは、俺のことをじっと見た。



俺は何を言われるかドキドキする。



でも、惺音ちゃんから言われたのは意外な言葉。



「慕ってなくても構いません。それでもあたしの神使になることを認めて契約をしてくれた大事な仲間です」

「そうか」

「行くよ」



惺音ちゃんはそう言って俺たちを政庁から出るよう促した。



惺音ちゃん…。



俺のこと、大事な仲間だと思ってくれてるんだ…。



家族も仲間も今までいなかった俺にはそれはすごく嬉しい言葉に思えた。



「あ、そういえば」



閻魔様が政庁から出て行こうとする俺たちにもう一度声をかけた。



「その手に持っている稲穂だが、えらくぼったくられてるな」

「はい?」

「稲穂3本と妖力の源の交換とは笑わせる。取り返してこい」



惺音ちゃんが俺のことを見た。



「妖力の源と交換したの!?」

「だってそうじゃないと売らないって言われたから…」

「信じらんない! 行くよ!」



惺音ちゃんはそう言って怒りながら走って政庁を出て行った。



やっぱり惺音ちゃん怖い…。