二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「はい、あーん」

「だから小雪(こゆき)さんの料理冷たいんだって」



あたしたちは顔を見合わせた。



なんか楽しげな声じゃない…?




音琶が怒った顔でずかずかと奥に入って部屋の戸をバンッと勢いよく開いた。



あたしたちもそれに続く。



中では、雪女と思しき色白で可憐な美女がスプーンを持って龍ヶ峰くんに迫っているところだった。



2人が入って来たあたしたちに気づいて同時にこっちを見た。



「お、やっと来てくれたか」



龍ヶ峰くんは軽くそう言って片手を上げた。



一方、雪女は憎々し気にこちらを見ている。



「あなたたち、いきなりなんなの…?」

「龍ヶ峰サマを返してもらいに来ましたわ」

「そういうことね…。この男は渡さない」



そう言って龍ヶ峰くんに腕を回して頬にちゅっとキスした。



「だから冷たいって」



龍ヶ峰くんは喜ぶでも嫌がるでもなく普通にかわす。



でも音琶は怒ったみたい。



「太郎、次郎、八つ裂きにしてちょうだい!」



後ろの神使2人に命じた。



その言葉に神使たちは雪女のところに突進する。



だけど…。



雪女が2人にそっと息を吹きかけた。



その瞬間、2人とも凍って動きが止まってしまった。



弱すぎでしょ!?



「太郎! 次郎!」



音琶が2人の名前を呼ぶ。



雪女は勝ち誇った顔。



次に、煌と蘭が前に出た。



「おい、碧をさっさと返せよ。こいつらも元に戻してやれ」



煌が低い声で雪女に声をかけた。



雪女は、検分するように煌と蘭をジロジロと見る。



それからパッと笑顔になって両手を合わせた。