二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「あんた、龍ヶ峰くんのこと好きなの?」



そう言ったら音琶の顔がぽっと赤くなった。



「そうですわよ。あんなに素敵な方、滅多におりませんわ」



おお、なんと…。



めちゃくちゃはっきり言うじゃん…。



あたしはその素直さに少し羨ましさを感じた。



「って…」



あたしはそこであることに気づく。



ぱっと後ろを振り返った。



少し遠くの方に莉子がいる…。



匂いですぐ分かるよ…。



バレた莉子は「えへへ」と頭をかいた。



「何やってんの!」

「ごめん、どうしても雪女さんを見てみたくて…」

「もう~…」



莉子って何気に好奇心旺盛だしガッツがある。



危ないって言ったじゃん!



「もう、こうやってわたくしたちの足止めをされるくらいならいっそのこと連れて行ったらどうなんですの? わたくしは人間がどうなろうがどうでもいいですわ」



音琶の言葉にあたしはため息をついた。



もう時間もないし連れてくしかないか…。



いいや、雪女ごときに負けるわけないし…。



渋々あたしは莉子を連れていくことにした。



そして向かった問題の雪女の住処。



山の中の小屋が雪女のそれ。



雪の中、普通の靴で山登りは結構ハード…。



あたしたちだけなら木々を渡って向かうけど、ここには莉子と、海でしか役に立たない妖もいる。



それでもようやく着いた。



小屋は思ったよりも大きくて、小屋というより小さい民家って感じ。



ずっと降っている雪は小屋の周囲だけ、より一層強く吹雪いている。



あたしたちは小屋の戸を蹴破った。



シーンとして誰もいない室内。



本当にここに龍ヶ峰くんと雪女がいるの…?



そう思っていたら、奥にある部屋から声が聞こえて来た。