二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「そもそも狐に憑かれてなければ自殺なんてあり得なかった話。今一度考え直してください」

「だが自殺は問答無用で地獄行きだ。そういう決まりになっている」

「そんな決まりなんてあなたの裁量でどうとでもなるでしょう!」



惺音ちゃんが怒った。



でもその言葉に閻魔様も怒ったみたい…。




「決まりは決まりなのだ!」



そう言って手元に持っていた金棒をドン!と床に突き付けた。



すごい勢いで突き付けられたそれは、地面を揺らす。



俺と煌くんはビクッと身を縮めた。



だけど惺音ちゃんは毅然とした態度を続けてる。



その様子を見て、閻魔様はホウ…と息を吐いた。



「狐の居場所を探りに俺のところに来たのだろう。であれば狐共を一掃しろ。奴らは根城を張って集団で生活している。見事殲滅できたら地獄送りは取りやめにしてやる」

「本当ですか!」

「ああ、こちらも野狐たちには困っていた。野狐たちのせいで死地に送られる者も多数。お前らが本当に殲滅できるというのなら、ありがたい話」



俺は、ただ今のやり取りをポカーンと見ていて。



惺音ちゃんが…閻魔の心を変えた…。



惺音ちゃんが閻魔様に頭を下げた。



「これだから稲荷姫は…。余計な仕事を増やしおって…」

「でも結果的に閻魔様のお役には立ちますよね?」

「ふっ、まあな。にしても…」



閻魔様が俺たち3人をまじまじと見た。



それから含みのある笑いをした。



「お前たちはこれから大変な未来を歩むことになるな。まあ一筋縄ではいかないと思うが…頑張れよ」

「? はい…」



俺たちは訳の分からない顔。



大変な未来…?



そんなの今の俺たちには分からない…。