二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「うん、それにね、もう一人…」



でも、あたしがそこまで言ったそのとき。



「失礼いたします、惺音様に火急の知らせがあると屋敷より使いが参っております」



小間使いの声が外から聞こえた。



えっ…なに…?



あたしは立ち上がる。



それを蘭が制した。



「いいよ、俺が聞いてくる」そう言ってさっと部屋を出て行った。



あたしはそわそわしながらお母さんの寝所で蘭の戻りを待つ。



しばらくしてから蘭が青い顔をして戻って来た。



「莉子が…」

「莉子!? どうしたの!?」

「莉子が、百合の瘴気毒に襲われたって…。それで今、熱を出して寝込んでいるって…」



百合…。



和音が置いて行ったやつか…!



百合の瘴気毒なんてめったに当たることないから油断してた…。



「お医者さんはすでに呼んで毒抜きはしてあるけど熱が引かないって…」



あたしは不安な気持ちをきゅっと引き締めた。



それから蘭に言う。



「蘭、あたしは今ここを離れられない。蘭が莉子の看病に行って。事態が変わったらすぐに知らせて」



蘭は真剣な顔をして「うん、分かった!」とうなずいた。



それから急いで蘭は部屋を出て行った。



お母さんがあたしに聞く。



「今の、莉子って言うのは…」

「あたしの、もう一人の家族だよ…」

「そう…。無事に治るよう、私も心から祈るわ」



あたしたちは祈ることしかできなかった。



莉子…。



きっと、大丈夫だよね…。