二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「この者は嘘をついておりません。おそらく風邪は本当でしょう」



えっ…!



あたしは思わず定毘古の顔をパッと見上げる。



「そ、そうか…」



あたしを連れて来た神は気まずそう。



そこに、定毘古が「それより」とその神をにらみながら付け足した。



「これしきのことで私の眼をあてにこの娘を連れてくるなど無礼ではありませぬか。手形はきちんと確認したのですか。それが何よりの証拠でしょう」

「も、申し訳ござらぬ…」



それからその神は気まずそうに去って行った。



あたしは呆然と定毘古を見る。



定毘古は周りの神にバレないようにあたしに小さくウィンクをした。



定毘古様~!



ありがとうございます!!



それからついでにあたしはそーっと定毘古に尋ねた。



「あたし…どこに行ったらいいんでしょう…?」

「そうだね、会議が始まるまでならどこにいても構わないが…そろそろ会議が始まる頃合い。主殿に一緒に参ろう」



というわけで、あたしたちは定毘古に着いて行く形で一緒に社の主殿に行った。



次第に人も増えていく。



じっと待っていると、一柱の神が入って来た。



あたしはその神から目が離せなかった。



それは…お母さんだった。



顔はあまり覚えていなくても分かる。これは間違いなくあたしのお母さん。



そして、後ろには蓮麻が従っている。



お母さんはあたしに気が付かず目の前を通り過ぎていく。



あたしのほうも、突然のことに声が出ない。



後ろに控えている煌たちがあたしに声をかけた。



「もしかして今のって…」

「あたしの…お母さんだよ」



あたしの返事に、蘭が驚いた。



「ええ! あの美人さんが! 話さなくていいの?」

「心の準備が…」



でも、あたしの心の準備なんて関係なく、話しかける時間もないままほどなくして会議は始まった。