二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「分かった」

「毎度あり!」



尾を一本引き抜いておじちゃんに渡した。



代わりに受け取る稲穂3本。



あーあ、俺が神使なばっかりに…。



大事な尾が…。



ぶつぶつ一人で文句を言いながら2人が待ってる大屋根に戻った。



なんか変な雰囲気…。



俺は気にしないことにした。



「はい、お待たせ!」

「お、遅いよ!」

「ごめんね? って、なんか惺音ちゃん顔赤いよ?」

「赤くない!」



なんか怒ってる…。



さては煌くん、惺音ちゃんになんかしたな…。



スケベ狐め…。



惺音ちゃんは可愛い。



陶器みたいな肌に、切れ長の目、ぽてっとした唇。



変なおっさんに仕えるより良かったけど、惺音ちゃんに命を掛けられるかと言われると…正直分からない。



だってわがままだし…怖いし…。



神使契約を結んだからには、もしそういう危険が生じた場合には俺は命を捨ててかからないといけないんだけど。



正直その覚悟もなしに適当に契約を結んでしまったのは事実だ。



まあなるようになる…。



そんなこと思いながら、3人で1本ずつ稲穂を持って、大屋根から降りた。



大屋根の下の詰所はこの時間には閉まっている。



政庁には大きい門があり、惺音ちゃんが門のところに行って、稲穂をかざしながら門番と何か話した。



すぐに門の中に通された惺音ちゃんは、俺たちを招き寄せた。



門の中に入ると、中は一変、そこは赤い世界。



ここが閻魔の政庁か…。



俺は見慣れない景色にきょろきょろと辺りを見回す。