二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

そしてあたしたちは今、出雲にいる。



初めて見る出雲の町は、いかにも神の国という感じ。



妖の世界に渡り、会議が行われる社へ行くと、門衛に止められた。



「神でない者の進入は許されておりませんが」

「宇迦山和音の名代として参りました。手形もここに。後ろに控えるのは私の従者。私は稲荷神の子です」



そう言って、あらかじめ和音が用意していた、あたしを名代にするという旨が書かれた手形を見せると、門衛も納得して引き下がった。



で、中に入ったはいいものの…どこへ行けば…?



境内は広すぎる。



なんかそこかしこの建物の中にそれぞれ神々が集まってるっぽい。



とりあえずすぐそばの建物にそーっと入ってみた。



「あのー…」



あたしは小さい声で中にいる神たちに声をかける。



全員が一斉にギロッとこっちを向いた。



そして怪訝な顔を向けた。



「神でない者がどうしてここに?」



一人の怖い顔した神があたしに尋ねた。



「宇迦山和音が風邪を引いたため、名代として参りました。私は和音の妹です。手形もございます」



まさか彼女をなだめるためにサボったなんて言えない。



あたしは和音に風邪を引いたことにしろと言われているのでそう言った。



あたしの言葉に、神々が口々にいろいろ言い出した。



「宇迦山と言えば…あの飄々とした山神か」

「あのうさんくさい神じゃの」

「あの者が風邪を引いたなど…嘘に決まっておるわ」

「妹を突き返してすぐにこちらに連れ戻してやろう」

「いや、しかし手形は本物…。ここは定毘古神あたりにでも妹を連れていき真偽を確かめたほうが良いのでは」

「そうだ、そうしよう」



なんか和音の信用が全然ないんですけど…。



っていうかあたし、ここまで来て連れ戻される…?