二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「惺音は俺の彼女ですけど?」



煌がそう言うからあたしの顔はもっと真っ赤。



煌のことを思い切り叩いた。



「いってえ~…」

「和音の前でやめてよ!」



でも和音はあたしたちの目の前で爆笑した。



「ふ~ん、あの惺音がな~。良かったな」



そう言ってあたしの頭をわしゃわしゃと撫でた。



あたしはそっぽを向く。



「それより、どうやってこっちの世界に来たの」



あたしは和音に聞いた。



本来神はこちらの世界に来ることはできない。



なぜなら神は人間界に来るための肉体を持たないから。



まあ実際には、肉体を移す“依り代”があれば人間界に来ることができるんだけど、そのためには依り代となる肉体を犠牲にしないといけないから禁忌とされてる。



あたしがお母さんに会えないのもそういうことも関係してる。



「葉っぱに肉体を移してこっち来た」



和音が軽く言った。



「それじゃ禁忌じゃん!」

「バレねえだろ。葉っぱくんには父の山で大元の木を大樹にしてやるって約束したから損のない取引」



あたしは呆れた。



適当なその感じがいかにも和音らしい。



「で、そんな禁忌を犯してまで何しに来たの」

「ああ、そうそう、頼み事があって来たんだよ」



和音が思い出したように言う。



「頼み事?」

「そう、来月出雲で神議(かむはか)りがあんだろ? 俺の名代(みょうだい)として代わりに出てくんねえかなと思って」

「はあ?」



あたしはわけのわからない顔を和音にする。



なんで神でもないのにあたしが神議りなんて…。