二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「蘭のあの顔見て何もしないわけにいかないでしょ」

「だからって今じゃなくてもいいだろ。俺より蘭が大事なわけ?」

「そんなこと言ってないじゃん!」



何これ、喧嘩?



俺もヒートアップした。



「蘭だって覚悟決めてんだよ。そこに惺音が中途半端に情見せたら忘れられるものも忘れられねえだろ。それとも蘭に忘れてほしくねえのか?」

「なんでそんなこと言うの!? あたしはただ蘭に悲しい顔してほしくないだけだよ!」



店を出てもなんだか雰囲気が険悪…。



一言もしゃべらない俺たち。



そこに、女が一人通りがかった。



すげえ美女…。



でも人間じゃなさそうな…。



人魚とかか?



「喧嘩中のカップル?」



そう言って(あや)しげに笑った。



「お兄さん、あたしと遊ぼうよ」

「はい?」

「こんな喧嘩してる彼女より、息抜きにあたしと遊んだほうがいいよ」



その言葉に惺音はますますイライラしたらしい。



俺に「行けば?」と冷たく言い放った。



はあ!?



俺もカチンと来る。



「じゃあお前は俺より蘭を選ぶってことだな」

「そうしてほしいならそうしてあげるよ! 早くそのお姉さんのところ行けばいいじゃん」



ムカついた!!



俺は惺音を後悔させてやろうと思ってその女に着いて行くことにした。



女はにっこり笑って俺の手を取った。



さすがに気が引けてその手を振りほどく。



惺音のほうを振り返ると、惺音はイライラが収まらないのか、海に石を投げていた。



ったく…。



俺を知らない女に差し出すとかまじで意味わかんねえから!