二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

~青蘭~

神使になんてならなきゃ良かった…。



惺音ちゃんに言われ、妖の土地で稲穂を探し歩く俺は、自分の選択を後悔していた。



惺音ちゃんはカワイイし、人間界に来られたのは良かったけど~…。



気まぐれの惺音ちゃんの使いっぱしりばっかり…。



俺、これでも伝説の鳥なんですけどね…。



このままバックレちゃおっかな~。



でも、左手の中指の紋章に目が留まる。



「…」



も~…。



こんな契約結ばなきゃよかったよ…。



こんな時間じゃ空いてる店も少ないし…。



そう思ってたら、1軒のお店に呼び止められた。



虫眼鏡で俺のことを見ている。



「稲穂を探してるね?」



蛙の妖のおじちゃん…。



なんで分かるんだ…。



「この虫眼鏡は千里眼の役目を果たし、客の求めてるものを見せてくれるんだよ」

「すげ~」

「もう店じまいにしようと思ってたけど稲穂を譲ってやるよ。本当はさっき同じものを求めに来た客がいたが、お代が足りなくてね。取りに帰るって言ってたけど、お客さんの方がすぐ買ってくれそうだから譲ってやる」



そう言って稲穂を俺に見せびらかした。



ぴったり3本。



「お代ってどのくらい?」

「お客さんの尾っぽでいいよ」



俺の尾…?



妖力の集まるそれは、俺にとっては割と大事なもの…。



1本なくなってもまた生えてくるものの、完全な長さになるにはそこそこの日数が必要だ…。



「ほかのものじゃダメ?」

「ダメだ。稲穂ったってそう安いものじゃないんだよ。こっちはさっきの客に譲ってやってもいいんだ」



その言葉に、俺は辺りを見回す。



もう空いてる店もないし、ここで手を打つしかないか…。