二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「蘭って自分の誕生日知らないの?」

「知らないよ。莉子は知ってる?」



蘭の言葉に、莉子ちゃんはうなずいた。



「赤ちゃんポストに預けられたときに、誕生日のメモが入ってたから知ってるよ」

「なんだよー、俺だけ知らないんだ」



そう言って口を尖らせた。



「じゃあ…あたしが蘭に誕生日をあげる」



惺音が言った。



「惺音ちゃんが!?」

「蘭の誕生日は、あたしと初めて逢って神使の契りを交わした日。蘭の人生はそこから新しく始まったでしょ。これでどう?」



惺音の言葉に蘭は顔を輝かせた。



「それ最高! そうするよ!」



惺音はにっこりと笑った。



俺は2人のやり取りに若干の面白くなさを感じる。



俺の誕生日なのに2人の世界じゃねえか…。



まあいいか…。



そんな蘭には、まだ俺たちが今日2人で出かけることを言っていない。



そのことを、飯を食いながら伝えると、蘭の箸がぽとりと落ちた。



「そ、そうなんだ~…。へー、いいね、いってらっしゃーい…」



蘭の顔は明らかに動揺している。



惺音と付き合ってから2人で出かけたことがまだなかったから、蘭にとってはそれは初めての出来事なわけで。



蘭の気持ちがわからないわけではない…。



惺音もそう感じたみたいで、「2人にお土産買ってくるからっ」と慌てたように伝えた。



「ありがと…」



蘭は無理に笑顔を作ってるように見える。



でも俺も譲れないものは譲れない。



しばらく気まずい空気が食堂に流れた。



莉子ちゃんが一番気まずそうだったけど…。