二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

~惺音~

煌に会いたい。



蘭が背中を押してくれたから。



煌に好きだって伝えたい。



その一心であたしは走った。



「煌っ」



屋敷に着いて、あたしは真っ先に煌の名前を呼んだ。



だけど屋敷はしんとしている。



「どうしました、惺音様」



メイドの一人が慌ててやってくる。



「煌は?」

「本日はまだどなたもお帰りになっていません」



煌…。



今どこにいるの?



煌に電話をかけた。



『おかけになった電話番号は、現在電波の届かない…』



電話はつながらない。



あっちの世界で幽霊引き渡してるところかな…。



あたしもあっちの世界に行くことにした。



屋敷の庭からあちらの世界に移る。



あちらの世界の屋敷から何かバタバタと音がする。



何かあったの…?



匂いを嗅ぐと、かすかに血の匂い。



あたしは不安を感じた。



その匂いの元を頑張って辿る。



血の匂いと一緒に獣の匂いがした。



この匂い…煌のだ…。



屋敷の屋根から…?



あたしはパッと屋根の上に飛び移った。



見渡すと…。



屋根の一番端で何かが争っているように見える。



あたしは慌ててそこに走った。