二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「惺音ちゃん、大丈夫だよ。惺音ちゃんが煌くんを好きでも、俺たちは変わらない。だって家族だもん。一度家族になったらずっとそれは続くでしょ?」

「蘭…」

「煌くんのところに行って、惺音ちゃん」



そう言って惺音ちゃんの目をまっすぐ見た。



俺の目には涙が浮かんでる。



それでも精一杯に笑顔を作った。



「惺音ちゃんの笑顔が見たいよ」

「でも…それじゃ蘭が…」

「惺音ちゃん。約束する。俺は何も変わらないよ。大好きな惺音ちゃんの側にいられたら俺はそれで満足。それよりも、惺音ちゃんの笑顔を見せて」



惺音ちゃんの目にも涙が浮かんだ。



それが一筋こぼれる。



「行って、惺音ちゃん」



そう言って惺音ちゃんから顔を離して、惺音ちゃんの背中をトン、と押した。



「煌くんが待ってるから。お願い、俺のためにも行って」



惺音ちゃんは…そしてうなずいた。



「ありがとう…蘭」



そう言って、俺を置いて駆けて行った。



俺は惺音ちゃんの背中をひたすら見つめ続ける。



涙があふれた。



惺音ちゃんの背中が見えなくなって、俺はたまらなくなってその場で泣き崩れた。



これでよかったよね…。



惺音ちゃんの笑顔を守ることができたよね…?



これが俺の愛。



俺、愛を知ることができたよ…。



しばらくその場でしゃがんで泣いていた。



「蘭くん!?」



突然、頭上から声が聞こえた。



「莉子…」



莉子が心配そうな顔で俺を見ている…。



「なんで莉子が…」

「たまたま通りがかって…。どうしたの、蘭くん…」

「莉子…俺、頑張ったよ。頑張ったって、褒めて…」



泣きながらそう言う俺に、莉子は戸惑った表情を見せた。



だけど、戸惑いながら俺の頭をそっと撫でた。



「頑張ったね、蘭くん」

「莉子…」



俺はしばらく莉子にそうされながら、この場所で泣き続けた。