二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

そしてお盆はすぐにやってきた。



「本当に今日は幽霊がたくさん集まるの?」



莉子がきょとんと惺音ちゃんに聞く。



惺音ちゃんは笑ってうなずいた。



「その辺にうようよいるよ。歩くの困るくらい」

「えー! そうなの!」

「見たい?」

「ちょっと興味ある…」



惺音ちゃんはにやっと笑った。



それから莉子の目元に手をやる。



惺音ちゃんが静かに目をつぶった。



そして…。



「うわっ、すごい…」



莉子が、目の前の景色に圧倒されるようにつぶやいた。



惺音ちゃん、莉子に妖の目を与えたのか…。



「どうやったの?」

「念じただけだよ。1分くらいしか持たないけどね」



その言葉通り、しばらくしてから莉子が「あー見えなくなっちゃった」と残念そうに言った。



「莉子って実は肝座ってるよね。ガッツあるっていうか…」



俺が莉子に言うと、莉子が照れくさそうに笑った。



それからお盆は終わり、俺たちの仕事が始まる。



改めてお盆明けの街中を見てみると、確かに残留してる幽霊が多い…。



その多くは家族との別れを惜しんでる幽霊たち…。



そんな人たちを帰すのはやや心苦しいけど、掟は掟。



俺たちは人間から姿を見えないようにして、片っ端から名簿と照らし合わせて幽霊たちに声をかけていく。