二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「やあ、呼び立ててすまないね」



俺たちの前にゆったりと座りながらそう言う定毘古神。



「今日呼んだのは、我々の手伝いをしてほしかったんだ」

「手伝い?」

「ああ、もうすぐお盆があるだろう? そこで一斉に冥界から死者が現世にやってくる。そこまではいいんだが、毎年お盆後にきちんと冥界に戻らない死者たちが後を絶たなくてね…。その者たちを帰すのに毎年ここにいらっしゃる閻魔様の指示のもと衛士たちが駆り出されてるんだが、何しろ人手が足りなくて…。君たちに手伝いをしてもらえたらと思って呼んだんだ。もちろんお礼はさせてもらう」



定毘古神は穏やかにそう言う。



閻魔様は相変わらずの威圧感で、いるだけで俺たちはにらまれてるみたい。



だけど惺音ちゃんは背筋を伸ばして毅然とした対応を取った。



「つまり、衛士のアルバイトをしろと」

「まあそういうことになるね~」

「あたしたちも暇じゃないんですけど。そんな簡単に当てにされても迷惑というもの」

「夏休み中だろ? 衛府で手柄を挙げたとなれば学校にも首尾の良い報告ができるし…何より褒美は妖丹だ。悪い話ではないと思うけど」



その言葉に惺音ちゃんはため息をついた。



確かにその通りだ。



惺音ちゃんが俺たちを見た。



「定毘古はこう言ってるけど…どう思う?」

「俺は惺音が決めたことには逆らわないよ」

「俺も!」



惺音ちゃんは俺たちの言葉にうなずいた。



それから閻魔様と定毘古神に手をついて頭を下げた。



「そのお役目、拝命いたします」

「うん、任せたよ」



そういうわけで、俺たちはお盆後の幽霊の後始末をすることになった。