二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

≪ちょっ…≫

≪しばらくこのままでいさせてくれ≫



あたしは、煌の言葉に…夢の中だからかな。素直に従った。



夢の中なのに体温が伝わる。



あたしはドキドキして、満たされた気持ちになってしまう…。



煌がしばらくして体を離した。



≪俺に…会いに来た?≫

≪違う…≫

≪違わねえだろ。じゃあなんでここにいるんだよ≫

≪煌が…来たんじゃない?≫

≪なわけないだろ。俺は今日一日お前の側にいたんだよ≫



あたしは煌の言葉に一歩下がって喚いた。



≪着いてこないでって言ったじゃん!≫

≪ははっ、悪いな。神使としては一人にするわけにいかねえだろ≫



煌は腕を組んで余裕そう。



あたしはむすっとなった。



煌はそんなあたしの頬をつねった。



≪何するの!≫

≪夢の中でも惺音は惺音だな≫



その顔つきが、次第に優しくなる。



それからあたしの頬に手を添えた。



いつもなら振り払うのに、不思議とそれができない。



煌が口を開いた。



≪惺音のことが好きだよ≫



突然煌から言われたその言葉。



あたしは目を見開いた。



そんなこと…今言われると思ってなかった…。



≪惺音が俺に会いに来てくれた事実が俺にはすげえ嬉しい≫

≪…≫

≪お前が何を意地になってるのか分からねえけど…俺は惺音が欲しいよ≫

≪そんなこと…簡単に言わないで…≫



あたしはやっとそれだけを言う。



煌は切なそうにうなずいた。



≪惺音が、俺のところに来ていいって思うまで…俺は待ってる≫



煌の言葉は…あたしの気持ちを揺れさせた。



嬉しかった。切なかった。どうしたらいいかわからなかった。



煌…あたし、どうしたらいいの…?



それから、煌が一歩あたしに近づいた。



≪夢の中だから許せよ≫



そう言って、あたしの頭をぐいっと引き寄せて…おでこにキスした。



そのまま、すーっと煌が消えていく。



あたしは…目を覚ましたとき、涙をこぼしていた。