二匹の神使な妖獣からの溺愛が止まない

「は? 林間学校に行く?」

「うん、もう申し込んだ」

「聞いてねえぞ!」

「言ってないからね」



惺音が突然、夏休み中にある1泊2日の希望者制の林間学校に行くと言い出した。



俺たちは、当然惺音が行かないものだと思って参加希望を出してない。



「じゃあ俺たちも行く」

「もう応募締め切り過ぎてる」

「ごり押しすればなんとかなるだろ」

「いい、来ないで」



惺音がぴしゃりと言い放った。



シーンとするその場。



俺は眉間にしわを寄せた。



「神使の立場でお前の側離れるわけにいかねえだろ」

「いいの、たまにはあたしも2人の監視から抜けて羽伸ばしたい。」

「いつ俺らがお前の羽をもいだ? 自由にさせてただろ」

「いいから! 絶対着いてこないでよ! 2人がいなければ友達もできるかもしれないし! だからあえて2人を置いていくの」



主人の命令に俺も蘭も何も言えない。



やっぱり惺音は俺たちから距離を取ろうとしてるように見える。



でなきゃ突然一人で行くなんて言わねえだろ…。



そしてそのままいたずらに時は過ぎ、惺音は一人林間学校へ旅立って行った。



俺と蘭は、頃合いを見計らって準備した。



「蘭、行くぞ」

「うん!」



いくらなんでも、主人である惺音を一人にすることは立場上できない。



俺と蘭は、莉子ちゃんに留守番を頼み、こっそりと惺音の後をつけた。



「蘭、匂い消し、取り寄せてきた。使え」

「さっすが~」



嗅覚の鋭い惺音に気づかれないよう、自分たちの匂いを消す香水のような薬も入手してきた。



そのまま惺音のあとを追う俺たち。



目的地のキャンプ場に着いた。



俺たちは木の上から惺音の様子を眺める。