いよいよ御前での絵合の日になった。
会場は帝のお部屋のそばにある女房の控室。急なことだったけれど、ちょっとした雰囲気にうまく整えてある。
帝のお席の左方に梅壺の女御、右方に弘徽殿の女御の女房たちが座った。貴族たちもそれぞれ応援する方に分かれて、向かいの御殿の濡れ縁から見物する。
帝の御前での勝負ということで、左方も右方も最高の準備をしている。絵を入れる箱、箱を載せる台、台の下の敷物、台の上の掛け布、どれもこれも贅沢な舶来品で美しい。絵を運ぶ女童にもそれぞれおそろいの衣装を着せてある。全体として左方は伝統的で格式高く、右方は現代風で華やかな演出だった。
帝からお召しがあって、源氏の君と権中納言が参上なさった。源氏の君の弟宮である帥の宮もお越しになる。この宮は風流好みで、特に絵がお好きだから、今日の審判をなさる。
すばらしい作品ばかりが集まった。帥の宮でもなかなか優劣をつけるのは難しい。隣の部屋には入道の宮がいらっしゃっている。帥の宮が判定をお迷いのときには的確な助言をなさった。
同点のまま夜になった。最後の作品で勝負が決まる。
左方は源氏の君が須磨でお描きになった絵を出した。権中納言はお心が騒ぐ。もちろん右方もとっておきの作品を最後に残していたけれど、こんな作品が相手では勝ち目はない。絵のお得意な源氏の君が、思いのたけを静かに描ききった風景画だもの。
帥の宮をはじめとして誰もが涙をこぼされる。
源氏の君が須磨へ行かれたときよりも深い悲しみがこみ上げる。源氏の君のお暮らしやお気持ちがありありと目の前に浮かぶようだった。ところどころに書きこまれた悲しい和歌が、見る人の心をとらえて離さない。
結局、この源氏の君の絵がすべてをかっさらってしまって、文句なしで左方の勝ちが決まった。
会場は帝のお部屋のそばにある女房の控室。急なことだったけれど、ちょっとした雰囲気にうまく整えてある。
帝のお席の左方に梅壺の女御、右方に弘徽殿の女御の女房たちが座った。貴族たちもそれぞれ応援する方に分かれて、向かいの御殿の濡れ縁から見物する。
帝の御前での勝負ということで、左方も右方も最高の準備をしている。絵を入れる箱、箱を載せる台、台の下の敷物、台の上の掛け布、どれもこれも贅沢な舶来品で美しい。絵を運ぶ女童にもそれぞれおそろいの衣装を着せてある。全体として左方は伝統的で格式高く、右方は現代風で華やかな演出だった。
帝からお召しがあって、源氏の君と権中納言が参上なさった。源氏の君の弟宮である帥の宮もお越しになる。この宮は風流好みで、特に絵がお好きだから、今日の審判をなさる。
すばらしい作品ばかりが集まった。帥の宮でもなかなか優劣をつけるのは難しい。隣の部屋には入道の宮がいらっしゃっている。帥の宮が判定をお迷いのときには的確な助言をなさった。
同点のまま夜になった。最後の作品で勝負が決まる。
左方は源氏の君が須磨でお描きになった絵を出した。権中納言はお心が騒ぐ。もちろん右方もとっておきの作品を最後に残していたけれど、こんな作品が相手では勝ち目はない。絵のお得意な源氏の君が、思いのたけを静かに描ききった風景画だもの。
帥の宮をはじめとして誰もが涙をこぼされる。
源氏の君が須磨へ行かれたときよりも深い悲しみがこみ上げる。源氏の君のお暮らしやお気持ちがありありと目の前に浮かぶようだった。ところどころに書きこまれた悲しい和歌が、見る人の心をとらえて離さない。
結局、この源氏の君の絵がすべてをかっさらってしまって、文句なしで左方の勝ちが決まった。



