冬が深まって雪や霰が降るようになった。
姫君のお屋敷のお庭は雑草だらけだから、日陰になってしまって雪がとけないの。
出入りする人もいないから、まるで北国の雪山のようにこんもりとしている。
姫君はそれをぼんやりとご覧になっていたわ。
<こんなとき侍従がいてくれたら、ささいなことをあれこれ話して、泣いたり笑ったりできたのに>
と悲しくお思いになる。
ご寝室にお入りになると、掃除をする人がいないからすっかり埃っぽくなっている。
寒くてさみしくて、姫君は侍従のことを恋しく思い出していらっしゃるの。
そのころ源氏の君は、都にお戻りになって三か月ほど。
まだ周囲が騒がしくて、それほど特別でもない女君のところへはご訪問なさるお暇がない。
<そういえば、あの常陸の宮様の姫君は、まだ生きていらっしゃるだろうか>
と、うっすら思い出されることはあっても、訪れてみようとまではお思いにならないの。
そのまま年が暮れていったわ。
姫君のお屋敷のお庭は雑草だらけだから、日陰になってしまって雪がとけないの。
出入りする人もいないから、まるで北国の雪山のようにこんもりとしている。
姫君はそれをぼんやりとご覧になっていたわ。
<こんなとき侍従がいてくれたら、ささいなことをあれこれ話して、泣いたり笑ったりできたのに>
と悲しくお思いになる。
ご寝室にお入りになると、掃除をする人がいないからすっかり埃っぽくなっている。
寒くてさみしくて、姫君は侍従のことを恋しく思い出していらっしゃるの。
そのころ源氏の君は、都にお戻りになって三か月ほど。
まだ周囲が騒がしくて、それほど特別でもない女君のところへはご訪問なさるお暇がない。
<そういえば、あの常陸の宮様の姫君は、まだ生きていらっしゃるだろうか>
と、うっすら思い出されることはあっても、訪れてみようとまではお思いにならないの。
そのまま年が暮れていったわ。



