明石の君はしばらく難波にいらっしゃって、源氏の君が都へ出発なさった翌日に、住吉大社へお参りなさった。
<わざわざ日にちをずらして、源氏の君の華やかなご参詣の後にひっそりとお参りをしなければならない。これが私の身分なのだ>
とお思いになると、よけいにご自分の境遇が悔しくなってしまわれる。
源氏の君はまだ都にお着きになる前に、明石の君にお手紙をお書きになった。
「近いうちにあなたと姫を都に迎えたい」
とある。
いかにも頼もしそうなことがたくさん書かれているけれど、女君は、
<明石を離れるのは心細い気がする>
と悩んでいらっしゃる。
正直なお気持ちを書いてお返事をなさった。
父親の入道は、
<いざ都へ送り出すとなると心配だ。かといってこんな田舎に源氏の君のお子を埋もれさせるわけにはいかない>
と苦しんでいる。
娘に大それた期待をして心配しつづけた人生だったけれど、これまでで一番苦しんでいたわ。
<わざわざ日にちをずらして、源氏の君の華やかなご参詣の後にひっそりとお参りをしなければならない。これが私の身分なのだ>
とお思いになると、よけいにご自分の境遇が悔しくなってしまわれる。
源氏の君はまだ都にお着きになる前に、明石の君にお手紙をお書きになった。
「近いうちにあなたと姫を都に迎えたい」
とある。
いかにも頼もしそうなことがたくさん書かれているけれど、女君は、
<明石を離れるのは心細い気がする>
と悩んでいらっしゃる。
正直なお気持ちを書いてお返事をなさった。
父親の入道は、
<いざ都へ送り出すとなると心配だ。かといってこんな田舎に源氏の君のお子を埋もれさせるわけにはいかない>
と苦しんでいる。
娘に大それた期待をして心配しつづけた人生だったけれど、これまでで一番苦しんでいたわ。



