朧月夜(おぼろづきよ)の尚侍(ないしのかみ)にもあいかわらずご執心(しゅうしん)だった。手紙をお送りになるけれど、女君(おんなぎみ)の方はとっくに懲(こ)りていらっしゃる。昔のように返事はなさらない。 <せっかく都に戻ってきたというのに。このまま私たちの関係は終わるのだろうか> 近くにいるだけによけいにすげないご態度が身にしみる。