源氏(げんじ)の君(きみ)は亡き上皇(じょうこう)様の夢をご覧になってから、上皇様のことをずっと気にしていらっしゃる。 都にお戻りになるとすぐ、上皇様のために仏教(ぶっきょう)の儀式(ぎしき)をしようとご準備をお始めになった。 十月に盛大な法要(ほうよう)をなさったわ。 貴族の方たちが源氏の君に従って参列する様子は、昔に戻ったようだった。