帝からお召しがあったので源氏の君は参内なさった。
「こんなにご立派な方が、どうやって田舎暮らしをなさっていたのかしら」
女房たちは不思議がっている。年老いた女房は源氏の君をお小さいころから存じ上げているから、泣きながら感動していた。
帝は念入りに身支度してお出ましになった。ご病状はあいかわらず重いけれど、ここ一日二日は少しご気分がよい。
静かに話しあわれるうちに夜になった。亡き桐壺院のご遺言を破ったことを帝は後悔していらっしゃる。ご病気のせいでよけいにお心細いようだった。
「近ごろは音楽会もしていないのです。病が重くてね。あなたの演奏を最後に聞いたのはいつだっただろう。ずいぶん長い月日が経ってしまいました」
「寂しい海辺で二年以上過ごしました」
源氏の君が悲しそうにおっしゃると、帝は申し訳なくお思いになる。
「あなたにはつらい思いをさせてしまった。不甲斐ない私を許しておくれ」
どこまでも優美な兄宮でいらっしゃった。
それから源氏の君は東宮にご挨拶なさる。
最後にお会いになったときはまだ幼さが残っていたけれど、すっかり少年らしく成長なさっていた。ひさしぶりに源氏の君に会えたことをよろこんでいらっしゃる。源氏の君は愛しくてたまらない。
東宮はご学問もよくおできになる。
<いつ帝の位に就かれても大丈夫だ。ご立派で賢い帝におなりだろう>
源氏の君は頼もしくお思いになる。
入道の宮へのご挨拶は、少し気持ちを落ち着かせてから行かれた。感動的な再会だったでしょうね。
「こんなにご立派な方が、どうやって田舎暮らしをなさっていたのかしら」
女房たちは不思議がっている。年老いた女房は源氏の君をお小さいころから存じ上げているから、泣きながら感動していた。
帝は念入りに身支度してお出ましになった。ご病状はあいかわらず重いけれど、ここ一日二日は少しご気分がよい。
静かに話しあわれるうちに夜になった。亡き桐壺院のご遺言を破ったことを帝は後悔していらっしゃる。ご病気のせいでよけいにお心細いようだった。
「近ごろは音楽会もしていないのです。病が重くてね。あなたの演奏を最後に聞いたのはいつだっただろう。ずいぶん長い月日が経ってしまいました」
「寂しい海辺で二年以上過ごしました」
源氏の君が悲しそうにおっしゃると、帝は申し訳なくお思いになる。
「あなたにはつらい思いをさせてしまった。不甲斐ない私を許しておくれ」
どこまでも優美な兄宮でいらっしゃった。
それから源氏の君は東宮にご挨拶なさる。
最後にお会いになったときはまだ幼さが残っていたけれど、すっかり少年らしく成長なさっていた。ひさしぶりに源氏の君に会えたことをよろこんでいらっしゃる。源氏の君は愛しくてたまらない。
東宮はご学問もよくおできになる。
<いつ帝の位に就かれても大丈夫だ。ご立派で賢い帝におなりだろう>
源氏の君は頼もしくお思いになる。
入道の宮へのご挨拶は、少し気持ちを落ち着かせてから行かれた。感動的な再会だったでしょうね。



