源氏の君は須磨で新年をお迎えになった。
庭の桜の若木につぼみがつきはじめるころ、うららかな空を見上げては都のことを思い出される。のんびりした須磨の空気に悲しくなって、泣いてしまわれることが多い。
<内裏ではもうすぐ桜の盛りだろうか。亡き桐壺院が帝でいらっしゃったときの桜の宴はすばらしかった。まだ東宮でいらした兄帝は美しく優しく、私が作った漢詩をほめてくださったのだった。同じ桜の季節とは思えない今の暮らしが悲しい>
庭の桜の若木につぼみがつきはじめるころ、うららかな空を見上げては都のことを思い出される。のんびりした須磨の空気に悲しくなって、泣いてしまわれることが多い。
<内裏ではもうすぐ桜の盛りだろうか。亡き桐壺院が帝でいらっしゃったときの桜の宴はすばらしかった。まだ東宮でいらした兄帝は美しく優しく、私が作った漢詩をほめてくださったのだった。同じ桜の季節とは思えない今の暮らしが悲しい>



