都では月日が経つほど、帝をはじめとしてどなたも源氏の君を恋しく思われる。まして幼い東宮は、いつも思い出しては隠れて泣いていらっしゃった。王の命婦は東宮の本当の父親が源氏の君だと知っているから、ご様子を拝見すると胸が詰まる。
入道の宮はこの秘密を守り抜かねばと緊張なさっていた。東宮の唯一の後見役である源氏の君が都を離れてしまわれたのだから、東宮のご将来がいっそう心配でお嘆きになる。
須磨の源氏の君のところへは、しばらく仲のよかった皇族や貴族たちがお見舞いの手紙を送っていらっしゃった。しかし、そこでやりとりされた漢詩の出来栄えがあまりにすばらしくて、世間で評判になってしまう。そうなると皇太后が黙っていらっしゃらない。
「罪人だというのに何を楽しそうにしているのだ。須磨で謹慎すると言いながら、風流な家に住んで、都の取り巻きと漢詩のやりとりをしているとか。どうせ帝の政治にけちをつけているのだろう。源氏の君も源氏の君だが、相手をする方も悪い」
ひどくお怒りなので、ほとんどの方は文通をやめてしまわれた。
入道の宮はこの秘密を守り抜かねばと緊張なさっていた。東宮の唯一の後見役である源氏の君が都を離れてしまわれたのだから、東宮のご将来がいっそう心配でお嘆きになる。
須磨の源氏の君のところへは、しばらく仲のよかった皇族や貴族たちがお見舞いの手紙を送っていらっしゃった。しかし、そこでやりとりされた漢詩の出来栄えがあまりにすばらしくて、世間で評判になってしまう。そうなると皇太后が黙っていらっしゃらない。
「罪人だというのに何を楽しそうにしているのだ。須磨で謹慎すると言いながら、風流な家に住んで、都の取り巻きと漢詩のやりとりをしているとか。どうせ帝の政治にけちをつけているのだろう。源氏の君も源氏の君だが、相手をする方も悪い」
ひどくお怒りなので、ほとんどの方は文通をやめてしまわれた。



