入道の宮様も、源氏の君がこんなことになってしまわれて嘆いておられた。
源氏の君は東宮様の唯一の後見役でいらっしゃったし、何より東宮様の父親でいらっしゃるのだものね。
<東宮様の父親を世間から疑われることだけは避けたいと、私はこれまで源氏の君に冷たい態度をとりつづけたけれど、あの人はなりふりかまわず私に恋心を訴えてきた。東宮様のために秘密を守りぬこうという気がないのかと恐ろしく思ったが、これだけ世間が源氏の君の粗探しをしていても、誰も秘密にたどりついていない。
源氏の君の方でも、世間には恋心など気づかせないように、慎重に隠してくださっていたということだろう。思いやりも分別もある、お優しい人なのだ>
と恋しく思い出される。
お返事にもそのお気持ちが表れていたわ。
「尼になりましたのに、毎日泣いて過ごしております。都にお帰りになる日をお待ちしておりますよ」
源氏の君は東宮様の唯一の後見役でいらっしゃったし、何より東宮様の父親でいらっしゃるのだものね。
<東宮様の父親を世間から疑われることだけは避けたいと、私はこれまで源氏の君に冷たい態度をとりつづけたけれど、あの人はなりふりかまわず私に恋心を訴えてきた。東宮様のために秘密を守りぬこうという気がないのかと恐ろしく思ったが、これだけ世間が源氏の君の粗探しをしていても、誰も秘密にたどりついていない。
源氏の君の方でも、世間には恋心など気づかせないように、慎重に隠してくださっていたということだろう。思いやりも分別もある、お優しい人なのだ>
と恋しく思い出される。
お返事にもそのお気持ちが表れていたわ。
「尼になりましたのに、毎日泣いて過ごしております。都にお帰りになる日をお待ちしておりますよ」



