朧月夜の尚侍は、ご病気でご実家の右大臣邸に下がっておられた。
熱が上がったり下がったりして続くので、ご実家でご回復のお祈りをなさる。
さっそくお祈りの効果が出たので、右大臣家の方たちは皆様安心なさったわ。
源氏の君は、尚侍がご実家にいらっしゃるこの好機をお逃しにはならない。
お手紙をやりとりなさって、毎夜のようにこっそり会いにいかれるの。
尚侍はもともと華やかで美しい方なのだけれど、ご病気のせいでおやせになっているのも、また魅力的よ。
そのころ、皇太后様も内裏からご実家に下がっていらっしゃった。
源氏の君は、同じお屋敷にご自分を憎んでおられる皇太后様もいらっしゃるとお思いになると、背筋が寒くなる。
でもね、ほら。
そういう厄介な恋にこそ夢中になってしまわれるご性格だから。
どんなにこっそりとお会いになっても、これだけ頻繁だと気づく女房たちもいるわ。
でも、面倒事にまきこまれることを嫌がって、皇太后様にご報告に行く人はいなかった。
右大臣様もまったくご存じないの。
ある日の明け方、急に土砂降りになって、雷が大きな音で鳴った。
右大臣様のご子息たちや、皇太后様にお仕えする役人たちが騒がしく歩き回っている。
女房たちは怖がって尚侍のご寝室近くに集まったものだから、源氏の君はお屋敷はおろか、ご寝室からさえ出ることができずにいらっしゃった。
そのまま朝になってしまったの。
ご寝室のすぐ外にはたくさんの女房たちがいる。
そのなかで事情を知っている女房は二人だけ。
<この状況では源氏の君をお帰しすることができない>
と困っていたわ。
熱が上がったり下がったりして続くので、ご実家でご回復のお祈りをなさる。
さっそくお祈りの効果が出たので、右大臣家の方たちは皆様安心なさったわ。
源氏の君は、尚侍がご実家にいらっしゃるこの好機をお逃しにはならない。
お手紙をやりとりなさって、毎夜のようにこっそり会いにいかれるの。
尚侍はもともと華やかで美しい方なのだけれど、ご病気のせいでおやせになっているのも、また魅力的よ。
そのころ、皇太后様も内裏からご実家に下がっていらっしゃった。
源氏の君は、同じお屋敷にご自分を憎んでおられる皇太后様もいらっしゃるとお思いになると、背筋が寒くなる。
でもね、ほら。
そういう厄介な恋にこそ夢中になってしまわれるご性格だから。
どんなにこっそりとお会いになっても、これだけ頻繁だと気づく女房たちもいるわ。
でも、面倒事にまきこまれることを嫌がって、皇太后様にご報告に行く人はいなかった。
右大臣様もまったくご存じないの。
ある日の明け方、急に土砂降りになって、雷が大きな音で鳴った。
右大臣様のご子息たちや、皇太后様にお仕えする役人たちが騒がしく歩き回っている。
女房たちは怖がって尚侍のご寝室近くに集まったものだから、源氏の君はお屋敷はおろか、ご寝室からさえ出ることができずにいらっしゃった。
そのまま朝になってしまったの。
ご寝室のすぐ外にはたくさんの女房たちがいる。
そのなかで事情を知っている女房は二人だけ。
<この状況では源氏の君をお帰しすることができない>
と困っていたわ。



