中宮様のところに上がられた源氏の君は、
「帝にご挨拶をしておりました。遅くなりまして」
と申し上げる。
中宮様のまわりにも、皇太后様の意地悪な雰囲気が感じられるの。
上皇様がお元気だったころの華やかだった藤壺を思い出して、源氏の君は悲しくなってしまわれた。
中宮様は、
「実家で想像しておりました以上に、内裏では皇太后が威張っているようです。帝がお気の毒なほどで」
と、女房を通じてこぼされる。
源氏の君はひさしぶりの中宮様の気配に涙を流される。
それから政治家のお顔になって、
「先ほどお会いした帝は、あいかわらずお優しくていらっしゃいました。帝を自分の思いどおりにしようとする者たちが問題でございますね」
とおっしゃった。
中宮様は内裏をお出になる前に、東宮様にあれこれと心構えをお教えになる。
肝心の東宮様はそれほど深くはお考えになっていないの。
普段ならお休みになっているころなのに、
「母君がお帰りになるまで起きている」
と甘えていらっしゃる。
それでも中宮様がご出発となれば、お立場をわきまえてさっとお離れになる。
そのご様子に、中宮様はお胸を熱くしておられた。
「帝にご挨拶をしておりました。遅くなりまして」
と申し上げる。
中宮様のまわりにも、皇太后様の意地悪な雰囲気が感じられるの。
上皇様がお元気だったころの華やかだった藤壺を思い出して、源氏の君は悲しくなってしまわれた。
中宮様は、
「実家で想像しておりました以上に、内裏では皇太后が威張っているようです。帝がお気の毒なほどで」
と、女房を通じてこぼされる。
源氏の君はひさしぶりの中宮様の気配に涙を流される。
それから政治家のお顔になって、
「先ほどお会いした帝は、あいかわらずお優しくていらっしゃいました。帝を自分の思いどおりにしようとする者たちが問題でございますね」
とおっしゃった。
中宮様は内裏をお出になる前に、東宮様にあれこれと心構えをお教えになる。
肝心の東宮様はそれほど深くはお考えになっていないの。
普段ならお休みになっているころなのに、
「母君がお帰りになるまで起きている」
と甘えていらっしゃる。
それでも中宮様がご出発となれば、お立場をわきまえてさっとお離れになる。
そのご様子に、中宮様はお胸を熱くしておられた。



