それでもやはり、気にかかる恋人はいらっしゃる。
六条御息所は捨ててしまわれることができそうにないの。
<あの方は妻にしたら息苦しいに違いないけれど、ときどき風流なお手紙のやりとりをするだけなら最高だろう。あまり頻繁にお訪ねしなくても、恨んだり悩んだりなさらないご性格ならよかったのだが>
と、ずいぶん勝手なことをお思いになる。
その一方で、紫の上のことは世間に知らせようとお決めになった。
<二条の院にいるのがどのような女性か、世間が知らないままなのはよくない。紫の上の父宮にも事情をお話ししよう>
と、紫の上の裳着——女の子の成人式、をご計画なさる。
紫の上は源氏の君にお心を閉ざしたままでいらっしゃった。
<下心というものの存在さえ知らず、源氏の君を頼って甘えていたなんて。いくら幼かったとはいえ、愚かで浅はかだったわ>
と悔しくお思いになる。
目もお合わせにならないの。
源氏の君がご冗談をおっしゃっても、不機嫌なお顔で面倒そうにしておられる。
そのご様子をご覧になって、
<あんなにも素直でかわいらしい姫君だったのに>
と、源氏の君は呑気に楽しんでいらっしゃるの。
「私もずいぶん我慢したのですよ。誠意は時間をかけて十分お伝えしたと思っていましたが、あなたには伝わっていなかったのですね。悲しいことです」
と慰めておられるうちに、新しい年になったわ。
六条御息所は捨ててしまわれることができそうにないの。
<あの方は妻にしたら息苦しいに違いないけれど、ときどき風流なお手紙のやりとりをするだけなら最高だろう。あまり頻繁にお訪ねしなくても、恨んだり悩んだりなさらないご性格ならよかったのだが>
と、ずいぶん勝手なことをお思いになる。
その一方で、紫の上のことは世間に知らせようとお決めになった。
<二条の院にいるのがどのような女性か、世間が知らないままなのはよくない。紫の上の父宮にも事情をお話ししよう>
と、紫の上の裳着——女の子の成人式、をご計画なさる。
紫の上は源氏の君にお心を閉ざしたままでいらっしゃった。
<下心というものの存在さえ知らず、源氏の君を頼って甘えていたなんて。いくら幼かったとはいえ、愚かで浅はかだったわ>
と悔しくお思いになる。
目もお合わせにならないの。
源氏の君がご冗談をおっしゃっても、不機嫌なお顔で面倒そうにしておられる。
そのご様子をご覧になって、
<あんなにも素直でかわいらしい姫君だったのに>
と、源氏の君は呑気に楽しんでいらっしゃるの。
「私もずいぶん我慢したのですよ。誠意は時間をかけて十分お伝えしたと思っていましたが、あなたには伝わっていなかったのですね。悲しいことです」
と慰めておられるうちに、新しい年になったわ。



