源氏の君も六条御息所もご関係を秘密にしておられたけれど、世間ではすでに噂されていた。
上皇様もご存じなくらいだもの。
御息所のご身分を考えれば、ご正妻でいらっしゃる左大臣様の姫君と同格の扱いをしてさしあげてもよいくらいよ。
でもそれはなさらない。
このままでは申し訳ないとは思っておられるけれど、妻にするとなるとためらわれてしまう。
御息所の方は年齢差を気にしておられた。
ご自分はまもなく三十歳だというのに、源氏の君はまだ二十二歳でいらっしゃる。
なかなか打ちとけることはおできにならないの。
そのご態度を源氏の君は都合よく利用なさる。
「御息所がなかなか私をお認めくださらないから、私はご遠慮申し上げるしかないのだ」
と上皇様のおそばの女房にこぼして、さりげなく上皇様のお耳に入るようになさるの。
御息所はますますお嘆きになったわ。
上皇様もご存じなくらいだもの。
御息所のご身分を考えれば、ご正妻でいらっしゃる左大臣様の姫君と同格の扱いをしてさしあげてもよいくらいよ。
でもそれはなさらない。
このままでは申し訳ないとは思っておられるけれど、妻にするとなるとためらわれてしまう。
御息所の方は年齢差を気にしておられた。
ご自分はまもなく三十歳だというのに、源氏の君はまだ二十二歳でいらっしゃる。
なかなか打ちとけることはおできにならないの。
そのご態度を源氏の君は都合よく利用なさる。
「御息所がなかなか私をお認めくださらないから、私はご遠慮申し上げるしかないのだ」
と上皇様のおそばの女房にこぼして、さりげなく上皇様のお耳に入るようになさるの。
御息所はますますお嘆きになったわ。



