二条の院にお帰りになった。
若紫の君はお正月らしい上品なお着物を着ていらっしゃる。
よく似合っていて、無邪気なご様子が本当にかわいらしいの。
祖母である亡き尼君は昔風なお考えで、まだ姫君にお化粧をさせていらっしゃらなかった。
源氏の君が引き取ってからは女房にお化粧をしてもらっているので、すっきりと垢抜けられたわ。
<こんなにかわいらしい子が家にいるというのに、どうしてあちこちの女性と関係をもって苦しんでいるのだろう。どこにも出かけず、この子の相手だけしていればよいものを>
と、大人の女性とのご交際を面倒でばかばかしいもののように思われる。
雛遊びやお絵描きをして一緒にお遊びになった。
源氏の君は髪の長い女性の絵をお描きになって、鼻にちょんと紅い色を塗ってごらんになる。
<ああ、絵でも駄目だ>
とげんなりしてしまわれた。
ふざけて、ご自分の鼻にもちょんとお塗りになった。
姫君がご覧になって大笑いなさる。
「私がこんなふうになってしまったら、あなたはどうなさる?」
とお尋ねになると、
「嫌」
と悲しい声でおっしゃって、紅い色が染みついてしまわないか心配なさるの。
源氏の君は鼻をぬぐうふりをしながら、
「おかしいな、落ちない。ばかなことをしてしまった。帝が何とおっしゃるだろう」
と大真面目な顔でうろたえていらっしゃる。
姫君は源氏の君をお気の毒に思われて、鼻をぬぐってあげようとなさるの。
ふざけて笑いあっていらっしゃるご様子が、お似合いのご夫婦だったわ。
うららかな日差しだけれど、ほとんどの木の枝にはまだ花がない。
梅だけはつぼみがふくらんでいて、紅梅はもう色づいている。
「紅い花は見たくないな。梅は好きだけれど」
とつぶやかれる。
さて、この方々はこれからどうなっていかれるのかしら。
若紫の君はお正月らしい上品なお着物を着ていらっしゃる。
よく似合っていて、無邪気なご様子が本当にかわいらしいの。
祖母である亡き尼君は昔風なお考えで、まだ姫君にお化粧をさせていらっしゃらなかった。
源氏の君が引き取ってからは女房にお化粧をしてもらっているので、すっきりと垢抜けられたわ。
<こんなにかわいらしい子が家にいるというのに、どうしてあちこちの女性と関係をもって苦しんでいるのだろう。どこにも出かけず、この子の相手だけしていればよいものを>
と、大人の女性とのご交際を面倒でばかばかしいもののように思われる。
雛遊びやお絵描きをして一緒にお遊びになった。
源氏の君は髪の長い女性の絵をお描きになって、鼻にちょんと紅い色を塗ってごらんになる。
<ああ、絵でも駄目だ>
とげんなりしてしまわれた。
ふざけて、ご自分の鼻にもちょんとお塗りになった。
姫君がご覧になって大笑いなさる。
「私がこんなふうになってしまったら、あなたはどうなさる?」
とお尋ねになると、
「嫌」
と悲しい声でおっしゃって、紅い色が染みついてしまわないか心配なさるの。
源氏の君は鼻をぬぐうふりをしながら、
「おかしいな、落ちない。ばかなことをしてしまった。帝が何とおっしゃるだろう」
と大真面目な顔でうろたえていらっしゃる。
姫君は源氏の君をお気の毒に思われて、鼻をぬぐってあげようとなさるの。
ふざけて笑いあっていらっしゃるご様子が、お似合いのご夫婦だったわ。
うららかな日差しだけれど、ほとんどの木の枝にはまだ花がない。
梅だけはつぼみがふくらんでいて、紅梅はもう色づいている。
「紅い花は見たくないな。梅は好きだけれど」
とつぶやかれる。
さて、この方々はこれからどうなっていかれるのかしら。



