「先輩たち、なにを…」
「菫」
なにか悪いことをしようとしてるなら止めなきゃ、と眉を下げると、葛谷さんが教室のなかに呼びかけた。
自分の席に向かっていた弓崎さんはパッと振り返って、明るい顔をする。
「雨蓮さん!」
「え…」
あっさりと廊下に出てきてくれた弓崎さんを、わたしはぽかんと見つめた。
わたしは最初しか、すんなり呼び出せたことがないのに。
「お前を栗本卓也と別れさせたのは、俺たちだ。俺はお前が栗本に別れ話を切り出すように、お前に近づいて気を引いた」
「俺は望羽ちゃんにぶつかって、栗本くんに抱きつかせたッス」
「私は彼に話しかけて、あなたとこの人が一緒にいるところを彼に見せたわ。それから、望羽ちゃんのメイクアップもね」
「は…?」



