【中】酸いも甘いも、イケメンぞろい。



 となりの葛谷さんを見つめてお願いすると、葛谷さんは、ふ、と口元を緩めた。

「それは」と言いながら右手をわたしのほうに伸ばして、ほおのラインをなぞるように指先をすべらせ、あごを少し持ち上げる。




「お前の働き次第だ」




 胸からドキドキと音がする。

 わたしは緊張(きんちょう)しながらも、おずおずと葛谷さんに言った。




「どんな仕事も、一生懸命(いっしょうけんめい)、ていねいにやります。だから、葛谷さんたちを手伝ったら、あの動画、消してください」




 犬丸先輩が持っている葛谷さんのスマホを指さすと、葛谷さんはにこりと笑って指を離した。




「あぁ、いいだろう。期待してるぞ、望羽」


「なんでも任せてください!」




 顔の熱を感じながら、両手を胸の前でグッとにぎってみせると、葛谷さんはほほえんで視線をそらす。

 犬丸先輩からスマホを受け取る様子を見ていると、犬丸先輩がわたしに向かってにこにこと言った。