私と莉奈ちゃんが出会ったのは、小学5年生の時の1学期の始業式。


引っ越してきたばかりで友達もいなくて、教室の隅で小さくなっていた私に、


『ねえ、自己紹介の時に趣味は読書って言ってたよね。わたしも家でよく本読んでるんだ』


と、彼女が声をかけてくれたのがはじまりだった。


色素の薄い栗色のロングヘアに、目鼻立ちの整った小さな顔。すらっとした長い手足。


そんなお人形みたいに可憐な美少女の莉奈ちゃんが、黒髪ボブの口下手で日陰者の私に話しかけてくるなんて。


この時は夢でも見てるかと思うほど信じられなかったけど、これがきっかけで、私たちは仲良くなって、学校も休日もいつも一緒だった。