☆☆☆ 「お願い。お願い生き返って」 今呼吸を止めてしまった男の子の胸を押す、押す、押す。 学校で習った心マッサージだ。 「まだ死んじゃダメ。絶対みんなで脱出するんだから!」 体重をかけて懸命に心拍を再開させようとするが、男の子は目を開けない。 「恵利。もうやめよう」 尋が横から止めようとするのを振り払って続ける。 だってついさっきまで生きていた。 1分前まで呼吸をしていたんだから、きっと助かるはずなんだ。 「今息を吹き返したってどうせ無駄だ。血液がないんだから!」