目が覚めると陽はすっかり上っていた。
 不思議な気分だった。まさか自分が変転までしてしまうとは。
 信じられない気持ちがある一方で、確かに自分にその力があると分かる。
 その事実を自身に浸透させるようにぼーっとしていると、養母が燦人達と共に部屋を訪れた。
 そして色々と話を聞かせてくれる。

 あの後柏と鈴華は大人しくなり、今は部屋に閉じこもっているそうだ。特に鈴華は色んな意味で気落ちしていて、何もする気が起きないといった様子だとか。
 養母はそう説明すると、今度は八年前のことを聞かせてくれた。

「あの事故の日。私も僅かだけど感じ取れたんだよ、お前の力を」

 そうして向かった先では親友がすでにこと切れていて、唯一生きていた娘の香夜は無傷だった。
 共に向かった里の者達はそれを気味悪がっていたが、気配を感じ取っていた養母は香夜が先祖返りであると確信したのだそうだ。
 だが、それを皆に知られると香夜は強い月鬼の子を産む道具のように扱われるだろうと判断した。それに、長の跡取り娘として育てられている鈴華の立場も危うくなるだろうと。
 だから隠し通すことを選んだ。

 元々髪色を気味悪がられていた香夜は周囲の者から辛く当たられ、自分の心を守るために心に結界を張るようになった。すると逆に身を守るための結界を張れなくなった様だったので、そのままの状況を容認したのだとか。