ハナが洞窟へ戻ってくると光鬼はすぐにキスをしてきた。
窒息してしまいそうなほど深くて熱いキス。


「ハナの命が尽きるまで一緒にいたい。ずっとずっと、愛したい」


キスをしながら光鬼が懇願するように呟く。
ハナはそれを受け入れた。

自分はここに生贄としてやってきたのだ。
鬼がそれを望むのなら、私はそれに従うだけだ。


「いつかきれいな着物を来てほしい。人間は、そうやって祝福をするんだろう?」


どこで得た知識だろう。
きっと、ハナの花嫁姿を見たいと言っているのだ。


「私のことは気にしないで。十分に幸せだから」

「俺がしたいことなんだ。山には虹色に光る鳥もいる。そいつのの羽で着物を作ってやる」


それはきっと日本で一番キレイな着物になることだろう。
ハナの胸は踊り、夢中で光鬼にしがみついた。
その時間は本当に幸せな時間だった……。