「前に泣き方が分からないと言ったが、君に振られたら泣けるかもしれないな」 「君に会うたびに好きになっている自分が怖いくらいだ」 社長が私の横に手を置いた。 私が少し離れようとすると、逃げない様に手を掴まれた。 「なんで入社式の日、泣いていたんだ?目が赤かったのには、理由があるんだろう?」 「あれは・・・」 「教えてくれ」 「不安だったんです。あの日、沢山の新入社員がいる中で自分だけ落ちこぼれているようで」