「そうか」

ロイ殿下はあっさりと私の宣言を受け止めた。

「詳しくは聞かないのですか?」

「なぁフレア。俺はずっとフレアのことを見てたんだ。フレアが今でも薔薇が好きだと聞いた時から、負け試合なことは分かっていた」

「知っていたの・・・」

「幼い頃、アルベルトからもらった薔薇を押し花にして俺に自慢してきたんだ」

「じゃあ、なんで薔薇園に連れて行ったりなんか・・・!」

ロイ殿下は優しく微笑んだ。