おかしいことといえば、さっきからずっと後ろを付きまとってくるこやつ。
何をする気か、お店を出た瞬間に手を握られて、家とは逆方向に引っ張られていった。
「ちょっと本当に勘弁して。あんたなんなの?」
きっとこの人は年上だ。
そうとしか見えない。
だけど、もう敬語をつける気も失せてくる。そんな野郎だ。
「俺は神崎結人(かんざきゆいと)だ」
名前なんて知らない。
今お前の名前を覚えたところでこの先どうにもならないだろうが。
「お前は?」
「何」
「名前だよ」
「なんて呼べばいいかわからねぇだろ」と付け足しながら足をもっと早めていく。
もうこの際ひっぱるとは言えない。
これはもう引きずってるも同然。
「ひより」
「あ? 声小せぇんだよ」
なんでそんなにイラついてんの。
焦って、る……?
「ひよりっ」
僅かな抵抗も虚しく、ひたすら問われては答えるの繰り返しをしていた。
何をする気か、お店を出た瞬間に手を握られて、家とは逆方向に引っ張られていった。
「ちょっと本当に勘弁して。あんたなんなの?」
きっとこの人は年上だ。
そうとしか見えない。
だけど、もう敬語をつける気も失せてくる。そんな野郎だ。
「俺は神崎結人(かんざきゆいと)だ」
名前なんて知らない。
今お前の名前を覚えたところでこの先どうにもならないだろうが。
「お前は?」
「何」
「名前だよ」
「なんて呼べばいいかわからねぇだろ」と付け足しながら足をもっと早めていく。
もうこの際ひっぱるとは言えない。
これはもう引きずってるも同然。
「ひより」
「あ? 声小せぇんだよ」
なんでそんなにイラついてんの。
焦って、る……?
「ひよりっ」
僅かな抵抗も虚しく、ひたすら問われては答えるの繰り返しをしていた。