「セレア、それはどういう意味だ?」

「私はノア様の幸せを一番に祈っております。どうかそれだけは覚えておいて下さいませ」


私は何とか笑顔を作って、背筋を伸ばした。


「セレア、言いたくないことがあるなら言わなくてもいい。でも、私が愛しているのはセレアだけだ。どうか覚えておいてくれ」


ノア様が私の髪に持ってきて下さった一輪の薔薇を添えた。


「セレア、君は世界一綺麗な女性だ。私が愛する私だけの花だ」


ノア様は、私の手にキスをして帰ってしまった。