バルコニーへ出ると、夜風が気持ちよく、不安を飛ばしてくれる様だった。

「セレア」

ノア様と私と目を合わせる。


「何故突然、私に愛されることを望んでいないと言った」


「それは・・・・」


私はうまく言葉が出て来ず、ただただ涙を流してしまった。

淑女として、涙を流さないと今まで頑張ってきたのに、何故ノア様の前では上手くいかないのだろう。


「セレア、私に出来ることなら何でもしよう。どうか、私に君の悩みを話してくれ」


ノア様が私に近づこうとした時、誰かがバルコニーに出てきた。