「愛しいセレア。私を嫉妬させて楽しいかい?」


「からかわないで下さいませ!」


ノア様がこんなに積極的な所を私は見たことがなかった。

顔に熱が集まるのを感じる。


「セレア、君は悪女だね。私が近づけば頬を赤らめて、私に恋をしている顔を見せておきながら、私の愛を求めていないなどと言い放つ」

「その悪い口は私が塞いでしまいたいくらいだ」


ノア様が私の頬に手を添えたまま、私に顔を近づける。

私はあまりの恥ずかしさに目を瞑《つぶ》ってしまった。