「千幸、お兄ちゃんの隣座ろうな」


支度が終わって、現在家からパーティー会場に向かうところだった。

使用人が運転してくれて、2列目にお父さんお母さん、

そして一番後ろに私とお兄ちゃんで車の席に座っていた。


「そのドレス、すごく似合ってるよ」

「あはは、ありがとう……」


もし……忍くんに見てもらえたら、褒めてくれていたかな……?


『千幸、似合ってる』


忍くんがそう言ってくれると妄想をしてしまった。

ボワッと顔が熱くなる。


「……ん?千幸どうした?」

「へっ?う、ううんなんでもない!」


私、とうとう妄想まで始めちゃって……!重症だ……!!


胸に手を当てて、ふぅと息を吐いた。