私のせいで、忍くんに何かあったら……どうしよう……!!


手で顔を覆いながらも、指の隙間からついつい様子を伺ってしまった。


そこに映し出されたのは、いくら運動が得意だからとはいえど……。

敵を圧倒する、忍くんだった。


あ、れ……?同い年の中学生だったよね……?

大人、しかも3人に勝っちゃうって、一体どういうこと……!?


ポカンとしていると……。


「椎名さん、お待たせ。行こうか」

「えっ……?」


ポンッと肩に手を置かれて……。

いつも通り、優しく微笑んでくれた。


「ごめんね驚かせちゃって。でも安心して、もう大丈夫だから」

「あ、うん……ありがとう、忍くんは怪我してなぁい?」

「うん、俺は全然平気だよ」

「そっか……よかった……」


はぁと大きなため息をついてしまった。


そして、


「お嬢様!」


じいやの声がして振り向くと、確かにそこにいた。


「大丈夫ですか!?」


ひどく心配した声で私の元に駆け寄ってくる。