初めはなんとも思わなかったのに、一緒にいればいるほど好きになってしまった。


初恋だった。女子なんて、ひどい陰口を言うだけの生き物かと思っていたから……。

実際に地味だとかバカにされていたし。


だけどそんな俺を好きになったくれたんだ。しかも、地味な姿の時の俺を。


どれだけ嬉しかっただろうか。


騙してて申し訳ない気持ちもあったけれど、やっぱり嬉しい気持ちの方が勝っていた。


千幸との思い出は宝物のようだった。

今まで、お金持ちに生まれて欲しいものは簡単に手に入った。

お金だって、宝石だって。


だけど何より、自分のものになって嬉しかったのは、千幸だけだった。


「千幸、大好き」

「わ、私もっ……!!」


俺の腕の中で、そう言ったくれた千幸。