そして来た、帰りの時間。


最近は階段でのトラブルも減って、安全な日々が続いてる。


だけど……今現在、別のトラブルが押し寄せていた。


それは——


「千幸、早く行こう」

「う、うん……?」


忍くんに、手を引かれていると言うこと。

その理由は、


「あーちょっと待って!俺も千幸ちゃんと帰りたいんだってば〜」


綾人くんも一緒に帰りたくて、でも忍くんがそれは嫌と言うことだった。


「千幸は俺と“2人で”帰りたいんだよね」

「えっ?あ、私は……」


確かに忍くんと2人きりは嬉しいけど、でも今はドキドキでそんなの耐えられない……!!


「いやいや、ソイツと2人きりとか嫌だよね?俺と帰ろう」


綾人くんにはそんなことを言われてしまう。